「生前退位」に反吐が出る |
いまやすべてのマスコミが使っている、「生前退位」という造語。しかし、そもそも「生前退位」という語彙は日本の歴史に於いて今迄存在していなかった。
そして歴代の天皇が皇位を後継者に譲り渡すという行為に対して、伝統的に使われているのは「譲位」という語彙である。これが正しい。
この「生前退位」なる造語を誰が言い出したのか?
報道機関で最初に使ったのはNHKで、7月13日夜のニュースに於いて使用し始めた。↓
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「天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示されていることが分かりました。数年内の譲位を望まれているということで、天皇陛下自身が広く内外にお気持ちを表わす方向で調整が進められています。」
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しかし今日の産経朝刊にも出ている記事では、上記NHKニュースが報じた内容は6年前の平成22年7月22日に開催された宮内庁参与会議でのことであった。
産経新聞 10月17日23時59分配信記事↓
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6年前に「退位」のご意向聞く 元参与の三谷氏「驚きだった」「平成30年めどに実現を」
(http://www.sankei.com/life/news/161017/lif1610170059-n1.html )
元宮内庁参与で東大名誉教授の三谷太一郎氏は平成22年7月の参与会議で、天皇陛下による「生前退位」のご意向を聞いた一人だった。8月のお気持ちご表明より6年前のことで、三谷氏は「『譲位』という言葉だったが、明確な意思表明をされた。まさに驚きだった」と振り返る。(以下略)
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6年前の内容をさも最近の出来事のように印象付けて報じたNHKらマスコミ各社の報道姿勢には嫌悪感を覚えるが、それ以上に疑問を感ぜざるを得ないのは、今上陛下が『譲位』という語彙を使われているのは明白なのに、何故か「生前退位」という造語を勝手に使い始めた事である。
既に当ブログで度々述べているが、
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~伝統的語彙なども無視して、新たに珍妙な名称を定着させようとする者も出るだろう。
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これを地で行っているのが、「生前退位」なる語を広めているマスコミだ。
そこまでして日本の歴史と伝統を破壊したいのか。
否、そうしたいからこそ、「生前退位」を使っているのであろう。
私はこのような言い換えが跋扈している現状、そして「生前退位」という語彙そのものに反吐が出る思いである。
首相官邸へ、『譲位』を使うようメールを!
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