マカオ G2E ASIA 2018 探訪記(Conference編) |
既に御紹介したように15~17日の3日間、マカオにて国際カジノ業界見本市
「G2E ASIA 2018(Global Gaming Expo、亞洲國際博彩娯楽展會)」
が開催された。筆者は15日、16日の展示会および研究討論会に出席したので、今回のG2E ASIAの印象などを述べてみたい。
初日(15日)は開会式に先立ち、Melco Resorts &Entertainment LimitedのCEOであるLawrence Ho(何 猷龍)氏による基調講演が行われた。
Ho氏は7年前から大阪の橋下氏(当時大阪府知事)や松井現知事と度々会っており、日本市場に対する理解も深い。当日の講演でもMelco社として日本市場に参入する意欲を強く語っていた。
午後1:30からはアジア市場に関する研究討論会(有料)が開催された。2部構成で、第一部は日本、韓国、ロシアの北東アジアマーケット、第2部はカンボジア、ネパール、フィリピン、ベトナムの東南アジアマーケットについて、それぞれ討論が行われた(使用言語は英語。ヘッドフォン貸し出しで中国語通訳も)。
(第一部の討論会。筆者撮影)
著作権等の問題があるようなので詳細は書けないが、特に第一部は日本マーケットに大半の時間が割かれており、IR実施法案可決に向けて舵を切った日本に対する期待の大きさが窺われた。
中でも30兆円と云われる日本のパチンコ市場が引き合いに出され、世界的にも日本がギャンブルマーケットとしては世界最大級市場である…という認識がパネリストたちに共有されていたのが判った。
ただし、パチンコに慣れた日本人にラスベガススタイルのカジノが受け入れられるか?という疑問も出されていた。また或るパネリストからは、日本当局の「パチンコはギャンブルではなく遊戯である」という従来の建前についても解説がなされ、場内の失笑を誘っていた(これはある意味、恥ずかしい話である)。
討論会での日本市場についての論調全般を通じて気になったのは、各国IR業界関係者が皆、ターゲットを日本人そのものに置いていることである。日本政府のカジノ・IRに於ける誘致主体が(表向きは)訪日客にある事を考えると、既に日本IRに対する認識が内外で乖離している。
この認識の乖離がおそらく数年後には大問題になるであろう事は筆者も7年前から関係先に提起しているのだが、残念ながら解決に向けて進展していない。
更に言えば、パチンコ市場に対する海外業界人の研究が大分進んでいることから、その経営層の多数派が在日朝鮮人であること、またIRに浸食する可能性がある日本の組織暴力(これも主流は在日)についての議論など、多くの課題が山積みされている。
翻って日本国内では「ギャンブル依存症」対策ばかりが議論され、入場料を6千円にするとかの小手先の話が先行している。IRの設置(誘致)実現まで残り時間が少なくなっているのだから、推進派も反対派も広範囲な議論を展開すべきではないだろうか?
(展示会編へ続く)
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