新卒就職は本当に売り手市場か? |
リクルートワークス研究所によると2019年3月卒の大卒求人倍率は、1.88倍。
この1.88という数値が「超売り手市場」の根拠のひとつになっているのだが、約30年前のバブル最盛期は2.86倍だったので、実際にはまだ企業側有利という見方も出来る。
また上場企業と非上場の企業では大きな差があり、全体の数値を引き上げているのは従業員規模300名未満の企業の求人倍率の由。特に従業員規模5000人以上の会社に絞れば0.37倍で、決して「超売り手市場」ではない。
しかも上場企業でも、大量採用が常の金融系や小売、運輸、IT系、電機メーカーなどのセグメントを除けば、依然として「買い手市場」であると云えよう。
一例を挙げると、筆者の勤務先(製造業、東証一部、旧財閥系)のここ数年の大卒採用数推移は、↓
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採用学部学科 技術系総合職:機械、電気、土木、化学、材料、資源、地質 他
事務系総合職:全学部全学科
◎文理別採用実績数
□2016年 文系: 11名/理系: 19名
□2017年 文系: 7名/理系: 18名
□2018年 文系: 8名/理系: 15名
■2019年 文系: 10名/理系: 21名 ※採用予定人数
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昨年3月度売上高(連結)約2,450億円、従業員数約 3,000人のメーカーだが、大卒総合職採用数はこんなものである。特に文系採用人数は筆者が入った昭和末期から変わらず、例年10人前後しか採らない。
同業他社もこんなものだし、グループ内製造業(NECや住友化学といった巨大企業を除く)各社も似たような採用数である。「売り手市場」とは言っても、文系大卒でメーカー総合職を目指す人にとっては依然“狭き門”となっている。
2020年3月卒の就職戦線はそろそろ佳境に入りつつあるようだが、企業への就職を考えている学生の皆さんには、マスコミが囃す「超売り手市場」というムードに流されることなく就活対策を進めたほうがよいと感じるこの頃である。
(ご参考)↓
採用市場の歪さから見る大企業に新卒で就職することの難しさ
(https://takope.net/saiyoushijo-ibitsu )
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