シリア:「アラブの春」の後始末 |
シリアの反政府勢力が3方向で一斉蜂起、そのダマスカスへの進撃速度が速すぎて遂にアサド政権が崩壊した模様である。
ロイター12月8日配信記事↓
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シリア反政府勢力が首都ダマスカス入り、アサド大統領は首都出発か
(https://jp.reuters.com/world/security/AOFYY6J655MC5BXBFTU4GFZU3E-2024-12-08/)
[アンマン/ベイルート 8日 ロイター] シリアの反政府勢力は8日、部隊が首都ダマスカスに入ったと発表した。一方、政府軍の幹部2人はロイターに対し、アサド大統領が同日にダマスカスから飛行機で出発したと語った。目的地は不明という。(以下略)
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13年前の「アラブの春」で民主化要求が沸き起こったシリアだがアサド政権を倒せず、その後は「IS」の台頭などで内戦状態となっていた。
思うに今回、反政府勢力が突如攻勢に出た背景はこんなところか。
1.ウクライナ戦争によるロシア軍の疲弊
2.イスラエル軍の攻撃によるヒズボラ弱体化
3.アメリカの経済制裁が効いてきた
4.シリア政府軍の士気低下
5.各地の反政府勢力が「勝ち馬に乗れ」とばかり一斉蜂起
かつてゴラン高原でイスラエル軍と戦ったシリア軍に往時の精強さは無く、一部はイランに逃亡したという報道もある。イランも数日前アサド政権支援を打ち出したばかりで情勢の急変について行けなかったのだろう。
さて、シリアの今後だが、各地の反政府勢力はまさに「呉越同舟」の状態。北の勢力はトルコの影響力が、東のクルド人勢力はアメリカが、そして南の勢力はイスラム急進派やら何やらの雑多な集団で、今のところまともな統一政府が樹立できるとはとても思えない。
絶対に避けるべきはカダフィ大佐殺害後に全土が騒乱状態となったリビアの二の舞だが、そうすると有力な反政府勢力各派による暫定的な分割統治という線が妥当なところではなかろうか。
どうも来年のトランプ氏大統領就任を見据えて国際情勢が大きく動いている観がある。翻って我が国では相も変わらず「政治とカネ」が中心、来年の参院選前後に政局が大きく動くという見方が多数だが、それで国益が守られるのであろうか・・・。
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